松井選手と黒田選手

ヤンキースのローテーション投手である黒田投手は、
松井秀喜選手と同い年だ。
そして、
ヤンキースではチームメイトとして、名門野球チームの勝利に貢献している。


しかし、
今では日本野球界を代表する先発投手とスラッガーでだと、
誰もが認めるところだが、
歩んできた野球人生は、同じではなかった。


松井選手は高校生にして、
日本のアイドル的存在であったのに対して、
黒田選手は高校時代は2番手投手だったようだ。


僭越ながら、
その時の黒田選手からみると、
松井選手は雲の上の人に思えたかもしれない。


そういう時、人間は、
才能の差を見せつけられると、自分が挑戦することを、
(1)あきらめる
(2)自分のできる範囲で努力をする
の、どちらかの選択肢を選ぶことになる。


黒田選手はまさに。
(2)の人で、
自分の才能を信じて、多大な努力をして、
抜きん出た速球の速さを手に入れて、日本のプロ野球で活躍した。


そして、
松井選手と同じ名門野球チームで、チームメイトとなった。



きっと、
高校生だった黒田選手からしてみれば、
こんなことが10年以上後の人生で待っているとは、
想像できなかったかもしれない。


そんな境遇の違う、同い年の両者は、
お互いを尊敬しあっていた。


松井選手と黒田選手が、
ピッチャーマウンドとバッターボックスで向かい合っている姿は、
僕らでも夢のようだったけど、
たぶん、二人からすればもっと特別なものだったのではないかと思った。


その時、本気ではないにしろ直接対決したわけだけど、
黒田選手は、バッターボックスに入る松井選手に対して
「松井やー」
と言っていて、対決後も
「ホームラン打ってよ」
と、言っていた。


その時、松井選手は、
ヤンキースのローテーションピッチャーにこんなことさせてはダメだ」
と、言っていた。


何とも不思議な縁だけど、
こうして努力を惜しまなかった人たちだからこそ分かり合えることがあるのだろう。
こういう尊敬しあえる関係は素晴らしいと思った。


つまり、
自分を信じて努力して、
アメリカの環境で成功するために努力して、
そうしてたどり着いた今のポジションなのだ。


僕らの一見さえない生活の中にでも、
小さくて、目立たなくてもいいので、
こういう、自分の納得するような成功が欲しいと思う。


僕であれば、
こんなに大きな成功はできないので、
自分の手の届く範囲でも成功をしたいと思う。


ちいさくコンパクトな成功、
あるいは自己満足でもいいから、
納得できたらいいのだと思う。


その日まで、
すぐには上手くいかなくとも、
一日一日をぼちぼちマイペースでやっていくしかありませんね。