ヤンバルにスケッチ旅行 −森林療法−
沖縄県本島北部には、
ヤンバル(山原)と云われている、
広大な亜熱帯の森が広がっている。
僕は、
那覇の雑踏や、制作に行き詰った時などは、
時々、深呼吸をしに森に出かけ、
植物のスケッチをしにいく。
こういう気分転換は、
精神衛生上とても良いものと思う。
僕にとって、森林療法は効果が大きい。
ヤンバルでは、
ハブやブヨが出ないか注意して、
暑くても長袖、長ズボンでいく。
今回は、
紅型のキャリアが60年もある、
紅型の先生と、泊りがけでスケッチ旅行に行った。
目的は、ヤンバルクイナを見ること。
また、それを図案として筒書きにすること。
初日の夜、
あたりは真っ暗で音は動植物のものだけ、
そういう環境で、
人間の本来の5感が研ぎ澄まされていく事がわかり、
恐怖心と、清々しさがあった。
二日目の早朝、
日の出1時間前くらいから出かけて、
楚洲地区という、小さな小さな集落の近くで、
5羽のヤンバルクイナに出会った。
どうやら、このくらいそんなに珍しくも無いらしく、
それではスケッチしようと始めたのですが、
ヤンバルクイナは早くて、
出来上がったスケッチは、
なんともシュールなものになってしまった。
沖縄本島北部のヤンバルの森には、
特に北東部に小さな集落が沢山あり、
その集落では、
今でも竹籠を編んだり、
生活の道具を稲穂から作ったりしていた。
そういった道具は、非常に美しく、
これこそ、必要を兼ねそろえた美であると、
とても感動した。
こういった道具を作っている人は、
雑誌に出るでもなく、
表彰されるでもなく、
日常生活の中で作っているが、
本当に美しいものだ。
写真を載せます。
1枚目は、
ヤンバル北東部にあるお気に入りのマングローブ森。
2枚目は、
100歳を超えるおじいさんが稲穂から作った刷毛。
3枚目は、
手編みの美しい籠。
さて、
僕もいつもの生活をぼちぼちマイペースで。
図案を作る作業は苦しいけど、
そろそろ完成しそうなので、
このあたりの図案の作業は楽しい。
今回はちょっとだけ私生活を載せてみました。