誰かの心に届くと云うこと

誰かの心に届くということ、
人の胸に届くようなこと、
それは、
とても素晴らしいことだって。
誰でもできることではないけれど、
自分の意思で石にしがみつき、
何かを伝えようとする人には、
心に届くことがあり、
それは感動とかになって、
どこからか涙となりあふれてきます。


明日で、先生の個展は最終日です。


この度の個展で、出会った人の言葉、
忘れません。


「こんな着物、一生縁がなかったけど、
やっぱり近くでみるといいものねぇ」


「買ったり、着たりなんて、夢で終わっちゃいそうだけど、
見ているだけで、うっとりしちゃうのね」


普段は着物を着ない人であろうご老人の言葉でしたが、
人の心に届くようなことって、
生きてていくつできるんだろうって考えてしまって、
泣きだしそうになり、
でも会場でいきなり泣いたらおかしいので、
その場を離れることしかできませんでした。


今思えば、
どうして、
「羽織ってみてください」
と、気のきいたことが言えなかったのかと、
後悔しています。


僕は、
沖縄でも、
岩手でも、
心が動かされ泣いたことがあります。
自分の居場所をつくってくれた、
そんな人達がいたから、
心が届き合ったような気がしました。


自分のできることには限りがあります。
でも、
限りがあり、限りの中でできることの範囲を、
僕らは知っているだけに、
その限りある中での人としての振る舞いや、
言葉に感動して、
どこからともなく涙はやってくるのだと思います。


僕の残りの人生全部放りだして、つぎ込んで。
それで出来る、
誰かの心に届くこと、もの、振る舞い、言葉。
僕のできる全てを駆使して、
それで、
のうのうと生きてやろうと思います。


明日まで忙しいけど、
体調優先で、
ぼちぼちマイペースでいきましょう。


最後に今日は曲を紹介します。

『人の胸に届くような、
そんな歌がつれたら・・・』
と、いう歌詞の行があります。
僕はこの歌を聞いて、
ハッとした思いをしました。



歌詞


何をみても、何をしても、
僕の心、凍えたまま、
外は花が咲いていても、
僕の庭は冬枯れたまま。


どこにいても、誰といても、
僕の時計止まったまま、
深い深い穴の底で、
一人みじめにいじけている。


人の胸に届くような、
そんな歌がつくれたら。


だめだ、だめだ、今日はやめだ、
メロディひとつ出来やしない、
酒だ、酒だ、
同じことさ、
昼間からつぶれて眠る。


何を見ても、
何をしても、
虚ろな目は、死んだ魚、
吐きだされた言葉たちが、
部屋中あふれて腐っている。


人の胸に届くような、
そんな歌が作れたら。


負けた、負けた、今日は負けた、
光る言葉、見つからない、
酒だ、酒だ、飲んでしまえ、
虎にもなれずに溺れる。