気分転換の空想物語

空から見下ろせば −辛いことがあっても−

飛行機で夜に帰ってきて、 空港まで降りる時の低空飛行の夜景を見たとき、 人間の営みがそこにあるのを感じて、 ほっとしたことがないだろうか。 先日の雪の日、 雪の間から照らされた街灯の光が、 なんとも、 その飛行機から眺めた景色を思い出させた。 空…

昔、好きだった曲を聴けば 

今日は、昔すきだった曲をたくさん聴いた。 僕が入院していた時に、 兄がアイポッドを買ってきてくれて、 そこに入っていた曲を聴いたのだ。 このアイポッドの曲は、 増やせも減らせもしない。 むかし使っていたパソコンが壊れてしまい、 アイポッド内にある…

「ゆんで」と、「めて」

ゆんで、とは、 弓手、 つまり左手。 めて、とは、 馬手、 つまり右手です。 『ゆんでめて』 という、『しゃばけ』シリーズの本を読んでいて、 ゆんで、に進むか、 めて、に進むかで、 その後の自分の未来が大きく左右されることがある、 と、いう内容のもの…

ぼろぼろ猫

ぼろぼろの猫は、 喧嘩に大負けした日でした。 体が小さいから、 いつも負けるのだけれど、 今回は手ひどくやられてしまいました。 その時おじさんは、 いつもの新聞配達店で新聞を配達する準備をしていました。 新聞配達の仕事が昼休みになり、 おじさんは…

泣きむしメダカ(完結)

あくる朝、 黒メダカは目を覚ましました。 カエル博士が横にいます。 「おぅ起きたか」 「今、息子が朝メシをとりにいってるよ」 と、カエル博士は言いました。 しばらくすると、 黒いヘンテコがご飯を持って帰ってきました。 すると、 黒いヘンテコに足が生…

泣きむしメダカ(第3話)

どれくらい時間が経過したのでしょうか。 めだかは、 「ビール」と書かれた、 銀色の、固い、冷たい容器の中で目を覚ましました。 何か音がします。 コンコン・・・ コンコン・・・ と、めだかの入った容器に何かがあたっている音がします。 容器の中の、眠…

泣きむしメダカ(第2話)

「ぱしゃん」 めだかは、おもいきって水をけりました。 すると体が大きく水面から浮き上がり、 大きな丸い鉢の輪郭の外側に、 体が「するっ」と落ちていきました。 ここから飛び出すことについて、 仲間の黒めだかに最後のあいさつをしたのですが、 仲間の黒…

泣きむしメダカ(第1話) 

今日は天気があまりよくない、 曇っている。 めだかは、 いつものことだ、と退屈そうに思っていました。 大きな鉢の、丸い輪郭に沿って、 大きな雲がゆっくりと右から左に流れています。 時々、色の薄い雲が水草の合間を、 するっとすりぬけ、 影ができたり…